Who is Setsuko?
小学校英語指導者育成トレーナー(J-SHINEトレーナー)
鎌倉市・横浜市 元小学校英語サポーター(10年)
英語・スペイン語・ポルトガル語翻訳校正者
東京外国語大学スペイン語学科卒
英検1級 TOEIC985点
翻訳コーディネーターとして5年半勤務した後、英会話スクールで子どもから大人までの生徒や指導者の指導にあたる。現在はフリーランスで横浜を中心に乳幼児親子や小学生に英会話を教えている。
高校留学でマスターしたポルトガル語で日系の子どもの母語指導も行う。
新聞記者だった父を持ち、三人きょうだいの一番上として三重県四日市(よっかいち)市で生まれた私の最初の記憶は、静岡市で幼稚園に通っていたこと。
その後、東京都大田区で小学校に入学して、小学6年生の夏、卒業まで半年となったタイミングで愛知県名古屋市に引越し。
そして、無事に中学校生活が始まったと思った途端、
「お父さん、特派員でバンコクに行くから。任期は2年間」
父はそう言って6月にタイの首都バンコクへ赴任した。
私は家族とともに父の後を追い、生まれて初めて乗った飛行機でタイのドンムアン空港に着いた。暑さと湿気と独特の空気の匂いを、今でも思い出す。
中学1年生の夏、8月4日のこと。
空港には、運転手付きの車で、父が迎えに来ていた。
郊外にある空港から、渋滞で有名なバンコク市内へ車は進み、大きなショッピングセンターやレストラン、ホテルが立ち並ぶ中心街に差し掛かる。
街中では信号が増えて、車はそのたびに止まることになった。
何車線もある大通り、道いっぱいの渋滞した車…その間を縫って子どもが数人、道を歩いている。
手に何かを持って、車の窓をたたく子ども。
少し困った顔で運転手が手を振って追い払うしぐさを見せた。
追い払われた子どもは隣の車の窓を叩く。
「お父さん、あの子は何をしてるの?」
「仕事してるんだよ。手に雑巾(ぞうきん)を持っている子は、車の窓を磨いてお金をもらう。花を売っている子もいる。みんなそうやって家にお金を持って帰らないと、暮らしていけないんだよ」
子どもたちの中には靴さえ履いていない子もいた。
年は10歳前後、明らかに私よりも小さい男の子や女の子が、学校に行くこともなく一日中大通りで働いて生きている世界…
私はクーラーの効いた車内で、きれいな服を着て、運転手さんとメイドさんのいる家に住んでこれから学校に通う。
この子たちは、これから学校に行くことはおそらくないだろう…
もしかしたら、今までも学校に行ったことはないのかもしれない…
同じ時に同じ場所にいて、窓を1枚隔てた別世界がそこにはあった。
☆ ☆ ☆
英語の先生だから英語が上手くなるように教える」のは当たり前。
でも私の中にはいつも「英語(だけではなく、他の言語)を学ぶことで世界をひろげて、幸せな世界をつくる子どもになってほしい」という気持ちが常にあります。
それは私のこの体験から始まっています。幸せな子どもたちが幸せな世界を作れるよう、毎日笑顔いっぱいのレッスンをしていきたいと思っています